人と花、海と星 -記録だけになった昨今-

こんばんは。今日の最高気温は20.0℃で最低気温は12.1℃でした。春だ。
　昨日の本（ちくま文庫の名短篇、ここにあり）の最初は半村良「となりの宇宙人」だ。2002年に亡くなっている。読んだ彼の作品は、写真のような（左から、産霊山秘録1973年、亜空間要塞1974年、石の血脈1971年、およね平吉時穴道行1971年、平家伝説1974年、軍靴の響き1972年）だ。
　　さて「となりの宇宙人（愛称は宙さん）」の書き出しにハイライト（日本の紙巻タバコの銘柄）に火をつける場面が出てくるが、ここで何故か私の父が「いこい」から「それ」に変えた頃を思い出す。1960年の発売（70円、タール20mg、ニコチン1.6mg）だそうだ。その後ハイライトデラックス（100円、1967年発売、タール17mg、ニコチン1.4mg）に父が変えたことを思い出した、ゴールドもあったか。私が最初に吸ったタバコが、このハイライトだった（もちろん親父のを失敬したわけだ）。その頃の事を他にも思い出す、祖父母の葬儀のざわめき、味、2階の部屋、空気、匂い、湿度、使い捨てライターの手触りなど、ほんの数秒間に。
　こんな事を思い出すのは、この地球上に私一人になってしまったんだ。